Now Reading
見いだす人ー上田 洋平ー | KumamotoZine

見いだす人ー上田 洋平ー | KumamotoZine

ウエダ不動産事ム所

東区神水交差点のほど近く、電車通り沿いに事務所を構える「ウエダ不動産事ム所」。今回は、その代表である上田洋平さんにお話をお伺いしました。

バッグブランドであるFREITAGとの出会いは3年前、ふらっと立ち寄ったセレクトショップでのことだった。少し変わった生地感の財布やバッグに魅入られて財布を一つ手に取った。店員さんにお話をきくと、特色ある生地はトラックの幌(ほろ)を再利用したモノだという。全て一点モノで、一つとして同じ柄のものはない。その話を聞いた途端、胸が高鳴ったのを今でも覚えている。

それからFREITAGに、友人と一緒にどハマりしてしまったが、ある日通い詰めたセレクトショップがFREITAGの取り扱いを辞めてしまった。

それから、熊本でFREITAGを取り扱っているショップを友人が見つけ出してくれたのが、上田さんとのファーストコンタクトだった。

ウエダ不動産事ム所

不動産屋なのに、バッグブランドのショップ

バッグを見に来たはいいが、店名からして不動産屋さん。初めは、私も入店に躊躇した。しかし中に入ってみると、大好きなFREITAG製品で溢れ、世界観のある空間だった。

お話を伺うと、本業は不動産屋さんで、事務所の一部をFREITAGのショップとして使っているのだそう。面白さを感じずにはいられず、日を改めてインタビューを決行することとなった。

いつからFREITAGを置くようになったんですか?

「独立して、事務所をつくったのと同時です」。

不動産事務所なのに、FREITAGを置く様になった経緯をお伺いしてもいいですか?

「もともとは普通の不動産会社に、十数年勤めていたんです。そこで仲良くなったお客さんに、独立するから遊びにきてねと言うんですが、やっぱりどうしても不動産屋となると遊びに来づらいじゃないですか。遊びに来やすい様にしたかったんです。そこで、半分をショップにするといいんじゃないかと思ったのが、始まりです。最初は生活に関する雑貨なんかを集めて、販売しようと考えていたんです。ところが、FREITAGに出会って、FREITAGの製品に共感することが多かったので、ぜひ置きたいと思いました。それが、FREITAGを置くようになった経緯ですね」。

FREITAG

ウエダ不動産事ム所
スイスのチューリッヒに本拠地を置くメッセンジャーバッグブランド。トラックの幌やシートベルト、廃棄ペットボトルを繊維にした素材など、再利用されたものを多く使用している。トラックの幌であったため、素材として劣化に強く、長く使い続けられる製品なのが特徴。

FREITAGのどんなところに共感したんですか?

「僕が行っている不動産事業は、基本的に”普通”の物件はなくて、アングラ物件といわれるような変わった物件をメインで扱っているんです」。

ウエダ不動産事ム所は、“価値のないものとされ埋もれる物件に、新たな価値を見いだす”をコンセプトにしている。例えば、真四角な間取りの物件ではなく、三角形の形をした部屋。例えば、少しへんぴな場所だが、見晴らしがいい趣ある一軒家。そんな少しクセのある物件をアングラと表現。一般的には人気のない物件の魅力を最大限見いだし、契約につなげる。そんな不動産屋さんが、ウエダ不動産事ム所だ。一見使い道も、価値もないと思われるようなものを再利用する。本来であれば捨てられるようなもの(=買い手・借り手がつかず解体されるような物件)に、価値を見いだす。そんな共通点が、ウエダ不動産事ム所とFREITAGにはあった。

熊本地震がキッカケ

こういった形で新しく事業を始めたキッカケは何だったんですか?

「もともと十数年ほど、不動産会社で働いていたんです。そんな中、5年前熊本地震を経験して、僕自身は、被害はそこまで大きくはなかったのですが、益城町などの見知った街が被害を目の当たりにしました。それを見て、自分自身もいつどうなるかわからないなと思うようになったんです。いつ死んでしまうかわからないのであれば、やりたいことをやろうと思うようになりました。地震がなければ、今でも前の会社にいたと思います。」

地震のあった2016年。同年の10月に、熊本地震からの復興イベントのため、FREITAG創業者のフライターグさんご家族が来熊していた。その時に上田さんは、FREITAGを置きたいとダメもとで直談判。ちょうどその頃FREITAG側でも、アパレルショップ以外の、靴屋や本屋といったショップに製品を置きたいという流れがあったとのこと。タイミングも味方につけ、2016年12月から事務所とショップを同時にスタート。前職で一緒に仕事をしていた関さんと、二人三脚で開業した。

ウエダ不動産事ム所

変わった不動産屋

FREITAGを置いたことで、お客様の層に変化は有りました?

「FREITAGを好きな人は、インスタグラムなどでショップを探し出して、来店してくれます。そうやってうちを知ってくださった方は、物件もうちで借りてくれたりします。逆に、うちは他の不動産屋と競合しにくくて。だから、面白い物件を探してうちをめがけてやってきたお客様が、FREITAGにハマってくれることもあります。」

ウエダ不動産事ム所
他の不動産屋さんとは上手く棲み分けができていると話す上田さん(右)

「リノベーション物件や少し変わった物件などをメインで取り扱っているため、家賃は少し高いかもしれないです。そういった物件を求めている方は一定数いるんですが、今までは相談する先がなかったんです。そんな方が、うちを見つけて契約してくださいますね。」

「メリットもデメリットもウェブには全て書きます」

他の不動産屋だと、マイナスポイントは隠すことが多い。しかし、ウエダ不動産事ム所では、どんなメリットデメリットも記載するそう。それが、他では契約が決まらない物件も、ウエダ不動産事ム所でなら、契約に繋がる理由だと上田さんは語る。

また、物件の仕入れも少し変わっている。ウエダさんのほうから声を掛けると、どうしても身構えられてしまうそう。そのため、大家さんの方からお話をいただくのを待つというスタンスを取っている。

古いは魅力だ。

今後の展開は何か考えていらっしゃいますか?

「そうですね。今は賃貸借契約がメインですが、売買の方にも力を入れていきたいです。あとは、借り上げた物件に残されたモノを売ることも考えています」。

借り上げた物件の中には、イスやテーブルといった家具が残されたままのモノもある。それらはきっと、ウエダさんが扱わなければ捨てられていたモノたち。ある人から見ると、全く魅力のないものかもしれない。しかし、ウエダ不動産事ム所に置かれている古いイスは、どこか懐かしく、趣のあるものに見える。こういった新しい取り組みの中にも、上田さんが大切にしている“価値のないものとされ埋もれる物件に、新たな価値を見いだす”が息づいている。

ウエダ不動産事ム所
取り扱った物件に残されたイスを持ち帰り、ディスプレイ
ウエダ不動産事ム所
キャンプも趣味だと話す上田さん。最近は忙しく、キャンプに行けていないので、キャンプ道具集めが趣味に代わっているんだとか。。(「アシモクラフツ」という日本のガレージブランドの製品)

ウエダ不動産事ム所

熊本県熊本市中央区神水本町20-3
TEL:096-387-5001

ACCESS

What's Your Reaction?
Excited
5
Happy
4
In Love
4
Not Sure
0
Sad
0

© 2019 Logic 
All Rights Reserved.

Scroll To Top