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山ねこ軒 | Recommended shop

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ハシモト ダイ

日本でジビエ料理がブームとなって久しいが、日本にも古くから狩猟・肉食の文化はあった。マタギなどの猟師が存在し、熊や鹿、イノシシ、キジなどの野鳥なども食べられていた。いわば古くて新しい食文化。私は一度だけ猪鍋を食べたことがあるが、その滋味深い味わいの衝撃が今でも忘れられない。

『山ねこ軒』さんは、ジビエ料理専門店。でも正しくは“ 狩猟料理” なのだそう。狩猟肉をナラや桜、
クルミなどの薪(まき)で焼き、ポルトガルワインと共に楽しめるお店として人気です。熊本県庁正門の向かいの雑居ビル3F に、2018 年1 月にオープン。先々月に開催されたリノベーションEXPO にも出店
され、ボリューミーなホットドッグやポークジンジャー弁当などを販売されていました。その時に取材のお願いをし、今回広報チーム4 人でランチミーテイングを兼ねて訪れました。

ボリューミーなホットドックはリノベーションEXPOで出されていたスペシャルメニュー。

「命を頂いている」ことを忘れずに

「鳥獣害対策の為にもジビエの知名度が上がるのは良いことなのかもしれませんが、私たちは“ 命を頂いている” ことを常に忘れずに、無駄なく滋味深い狩猟料理としてご提供しています」と、オーナーシェフの村上正樹さんと奥様。

なかなか手に手に取ることのない内容の本も、ここに来ると読みたくなる。

近頃はイノシシの生息域が拡大し、熊本市の立田山でも2018 年には前年の5 倍の40 頭以上が捕獲されたというニュースもある。鳥獣害対策として需要と供給のバランスを取る必要があるのだろうか。「実は以前、鳥獣害対策で焼却処分される様子を見たことがきっかけで、資源として有効利用することはできないかと思い店を始めました。海外では高級食材ですから」と、正樹さん。狩猟肉は人吉や八代などの専門の精肉加工施設から仕入れるそうだ。

「仕入れの安定が難しい狩猟肉ですが、時期や解体されるまでの時間、繁殖期の前か後か、あらゆる状況によっても肉の味が変わります。最近アナグマが入荷したので、アナスキ(アナグマのすき焼き)もメニューに加えています。ランチのスープはアナグマのスープですよ」と奥様。

ランチメニューは「ポークジンジャー定食」のみ。これが食べたくて何度も通ってしまいます。

さて、唯一のランチメニューである『ポークジンジャー定食』が運ばれてきました。夜のメニューは狩猟肉メインですが、ランチは豚肉です。ボリュームがあり、お肉は柔らかくとてもジューシー。店内には大きなワインセラーも。「ワインはポルトガルワインを取り揃えています。ポルトガルワインは土着のぶどう品種を数種類ブレンドするので、単一品種のものより味が複雑で、そして地域やワイナリーごとに味が違うのも魅力です。でもポルトガルワインを置いている一番の理由は、美味しいからです(笑)」。

ワインセラーは上の棚からポルトガル北部・中部・南部と、地域ごとにわかりやすく並べられています。ラベルもバラエティー豊か。ちなみに漢字で“ 葡牙”(ぶどうきば)と書いてポルトガル!

猪や鹿といった野生鳥獣の狩猟肉を1 頭分丸ごと仕入れ、その肉の種類や部位に合わせて、ジャンルにこだわらない最適な調理法で提供するのが『山ねこ軒』のスタイル。時期により熊や兎、鴨、鳩などの肉も提供するそう。お料理だけではなく精肉販売もされ、オリジナル狩猟肉ソーセージなどもお持ち帰りできます。それからペット用のお肉や骨も。

命のバトンをしっかり繋ぎ、余すところなく頂く。そのポリシーに深い感銘を受けました。
狩猟肉の滋味深さとポルトガルワインの複雑な味わい。そして、ご夫婦の人柄に話も弾みます。『ポルトガルワインだけの会』などのイベントも開催されています。次回は是非夜に訪れたい!!

山ねこ軒

熊本県熊本市中央区神水1-3-13 中尾ビル 3F

営業時間/11:00~15:00(L.O.14:00) 18:00~22:00(L.O.21:00)

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