Now Reading
働き方の祭典「TWKD」九州で初開催

働き方の祭典「TWKD」九州で初開催

オオハラ ユキエ

Tokyo Work Design Week in Kumamoto

すべての勤労に、感謝を。

“Tokyo Work Design Week”は、勤労感謝の日に合わせて7日間にわたって開催される祭典。「新しい働き方」や「未来の会社」にまつわる多様な交わりから新たな未来をつくる。今年で7年目を迎え、東京をはじめ、大阪、横浜、そして海を超えて韓国でも開催。国内外でのべ3万人が参加するアジアを代表する「働き方の祭典」になりました。

今回は、「TheCompany熊本」を会場に、九州で初開催。オーガナイザーは9月のC.Schoolにもご登壇頂いた椿原ばっきーさんです。

熊本版”働き方の祭典”「Kumamoto Work Design Week Vol.0(以下、KWDW)」では、「知る、出会う、尊重し合う。」をコンセプトに「新しい働き方」や「未来の会社」に関連したスピーチ、セッションが行われました。

Keynote Speech

「地方で起業するということ」

最初の登壇は、宮崎のベンチャー企業「株式会社アラタナ」の創業者である穂満一成さん。アラタナは、ネットショップの立ち上げから、運営の効率化まで、ECに関わる全ての業務をワンストップでサポートする企業。九州には珍しい雇用体系で注目を集めています。毎年優秀な人材を採用し続けることができるアラタナの取り組みについて、ご紹介していただきました。

株式会社アラタナの創業者である穂満一成さん
株式会社アラタナの創業者である穂満一成さん

〇フレックス制度の導入について

出社時間がバラバラなので自分の時間をコントロールする意識が社員に定着。会社全体の残業減に成功した。勤務時間ではなく、成果主義となったこともフレックス導入の功績の一つ。

〇副業について

企業に勤めていると、「会社の歯車」の状態になり、何か一つのことしかできていない人が多いと言います。別の能力、人脈を養うことで自身を拡張する、そのために副業がおススメとのこと。

〇ワークライフブレンドという考え方

世の中には「ワークライフバランス」という考え方がすっかり定着していますが、穂満さんは「ワークライフブレンド」という思考を提案。それは、童話『北風と太陽』でいうならば太陽の姿勢。義務感ではなく「やりたい」「楽しい」という自発的なモチベーションから行動を選択することです。個人の意思や決裁権を尊重することで、探究心やリーダーシップを伸ばします。

〇企業<個人の時代

会社に依存する時代は終わり、「個」で強くなることがますます求められる時代になりました。SNSが発達し、消費者の行動も「あの人が言ってるから」「あの考えに共感しているから」、「あの会社の商品を買おう」と選択されることが多くなっています。個々人の意志が確立されることが、選ばれる企業の魅力となるようです。

Talk Session 1

「若者よ、これからカセグーン」

先輩クリエイターとして登壇した、マエダさん(左)と、マエダさんの上司でもあるニシグチさん(右)
先輩クリエイターとして登壇した、マエダさん(左)と、マエダさんの上司でもあるニシグチさん(右)

「カセグーン」とはクリエイターのお金の稼ぎ方を伝えているマエダさん(マスクの方)が主催するイベント。熊本の若手クリエイターの3人=モデライターのmariaさん、株式会社日添の佐々木悠さん、動画クリエイターのカイセイさんにより「個人の稼ぎ方」をシェアするセッションとなりました。

左から、モデライターのmariaさん、株式会社日添の佐々木悠さん、動画クリエイターのカイセイさん
左から、モデライターのmariaさん、株式会社日添の佐々木悠さん、動画クリエイターのカイセイさん

初めての仕事、ミスした仕事、これからの仕事、などなど…、設問に対してひとりひとりが回答していく形のセッション。みなさんのお仕事はクリエイティブな領域という点で共通してはいるものの、ここに至るまでの経緯や考え方、働き方も様々でした。

そんな中で一番印象に残っているのが、今セッションで一番の先輩クリエイター、ニシグチさんの姿勢。「若手のときはとにかく手を動かしたが、今は動かしてもらう方になった。でも努力する気持ちは変わっていない。広い視野でいまの時代を見つめながら、日々勉強を続けている」ということ。

時代が映り、ニーズが変わり、役割が変化したとしても、姿勢は変わらない。個の強さが重要視されるクリエイター業界で活躍するためのマインドに触れることができました。

Talk Session 2

「新しい組織」

続いて、株式会社ロジックの代表 吉安孝幸さんと、株式会社ヤマチクの代表 山崎 彰悟さんのクロストーク。モデレーターはTEAMKITの椿原ばっきーさんが勤めました。「個」が尊重される時代の中で、組織はどうあるべきか。経営者同士のセッションタイムです。

少し前に流行になった「旧来型のヒエラルキー文化の組織をホラクラシー的な自立型の組織に変えよう」という話題。しかし現在までそれを継続する組織は多くはありません。それは、そういった組織へと変化しようとする際に”痛み”を伴うから。そして実際にその痛みを味わいながらも自律分散型、即ち「個」の存在を尊重する新しい組織を継続させているのが、熊本の工務店 株式会社ロジックです。

株式会社ロジックの代表 吉安孝幸さん
株式会社ロジックの代表 吉安孝幸さん

これまでの経営者の仕事といえば「意思決定」することでした。しかしその決定に必要な判断材料は、現場に立つ個々人の経験です。そこで、決定権が各現場のスタッフに与えられることで、課題解決に対するスピード感を上げるのが新型組織の強み。朝令暮改なんて日常茶飯事。日々刻々と状態がアップデートされていくことが前提です。そういった「意思決定」の権限をスタッフ一人一人のレベルにまで落とし込んだのが、ロジックのこの2年間ほどの動き。その間には様々な問題が発生したそう。

〇各個人が正しい判断をするための材料がない

各案件の進行状況、各チーム内で交わされるコミュニケーション、会社全体の財務状況など。個人レベルでのやり取りがクローズドで、組織全体を俯瞰できない状態での判断にはミスも多かったそう。例えば欲しい備品を何でも買えてしまうので経費がかさんでしまったなんてことも。

〇元は旧来型の組織であるということ

全員の役職・権限が等しくなるということは、これまで「上司」という立場にいた人がこれまでの「部下」と立場が同じになるということでもあります。やり方が合わない人からは反発が起きる可能性も…。吉安さんは、社長である自分がその権限を手放せていなかったのではと思い、社長の給料を議論して見直すということを行いました。そしてその会議はもちろんどんなスタッフでも参加自由。

山崎さんもこれに同じく、給料は人から決めてもらうものではないと言います。「私はこれだけの働きをしました!」と胸を張ること、主張すること。エンドユーザーに対して自分はどんな価値を提供するのか。組織に所属していても、自分とお客様に向き合うべきだと語ります。

モデレーターの椿原ばっきーさん(左)と、株式会社ヤマチクの代表 山崎彰悟さん(右)
モデレーターの椿原ばっきーさん(左)と、株式会社ヤマチクの代表 山崎彰悟さん(右)

〇ブランドを体現する社員

これまでの話から考えると、組織に所属しながらも一人一人は個人事業主の様な立場で働くことが理想なのかもしれなません。それだけの力があっても独立せず尚企業に残り続けるのは、そもそも企業の実現したい世界観に共感しているから。

ロジック広報チームでは、社内報『LogicTimes』・オウンドメディア『LogicZINE』を制作・運営しています。これはもちろんより多くの方との出会いのきっかけとしての役割もありますが、社内のスタッフが企業の伝えたい世界観・ブランドを理解するためのツールとしても一役買っています。

表面上のブランドデザインだけを整えても、中にいるスタッフが理解できていなければ企業の強みには中々結びつきません。企業ミッションを理解してその達成のために自分ができる最大限の貢献をしている状態が望ましく、自分の言葉で語ることができるスタッフは企業をより魅力的に見せます。

どんな組織形態で会社を運営していくのか。それは企業のミッションを達成するための手段でしかありません。そこに正解不正解はなく、経営者がどれを選ぶか。その一員になる側は、自分たちがどの船に乗るかの話かもしれません。乗った船の目指す先が、自分の目指す先と一致していれば、より強い絆で目標達成に勤しむことができるでしょう。

Talk Session 3

「これからの個人と組織の関係」

個人の話と組織の話の後、最後は個人と組織がどんな関係になっていくのか、というお話です。個人として、チームとして、様々なプロジェクトを立ち上げ働く方々のご登壇。WEBデザイナーの野田  陽介さん(WHITE BASEなど)、デザイナーの佐藤 かつあきさん(BRIDGE KUMAMOTOなど)、岡山  史興さん(70seedsなど)によるトークセッション。モデレーターはTEAMKITの小谷  草志さんです。

左から、WEBデザイナーの野田  陽介さん(WHITE BASEなど)、デザイナーの佐藤 かつあきさん(BRIDGE KUMAMOTOなど)、岡山  史興さん(70seedsなど)
左から、WEBデザイナーの野田  陽介さん(WHITE BASEなど)、デザイナーの佐藤 かつあきさん(BRIDGE KUMAMOTOなど)、岡山  史興さん(70seedsなど)

今は個人として活躍されている方ばかりですが、企業に属して下積みを経験していた時期も。そうして組織に育ててもらった経験があるからこそ、今の個の時代に不安を感じることもあるそう。

〇フリーランスとしてのスキルを身に付ける機会

例えば自分たちが下積み時代を過ごした場所、育ててもらえるような場所、受け皿はどうなるのか。技術は自分で磨くこともできるかもしれませんが、そういった専門スキルだけでは下請けになってしまいます。稼ぐために必要な”繋がり”や”経験”を培う場所がフリーランスには足りていないとのこと。そのため業界全体で育てていくことが大切だといいます。野田さんのWHITEBASEの活動はまさにそのもの。講師を呼び無料で開く学びの場は、同じ業界の方との出会いの場にもなっています。

〇健康面の負担

独立してから人間的なストレスは無くなったけど、健康的な不安が増したそう。働く時間が自由なことで、昼夜の感覚が崩れたり、過剰労働してしまったりということも。正確な判断ができる状態を維持することは仕事においても重要なことです。組織と違って自分の代わりもいません。そういった意味で心身ともに健康な状態を保つことを気にするそう。

〇本当は名刺には肩書きがない方が良い

本業のこと、本業でないこと、それを組織側がそれをどう取り入れるかを考えるフェーズになってきています。それに対して興味深かったのが、岡山さんが実践した「ベーシックインカム制度」。自身のnoteでもその経験を書かれています。それはメンバーが独立する前の準備期間を会社に属したまま過ごしてもらうという制度。これからの時代、会社が優秀な個人を抱きこむことは難しくなります。そういった労働人口不足、働き方の多様化を背景として、双方のメリットとして生まれた制度です。これからは例えば、2つの会社で1人の人をシェアする、なんてことも考えられるとのこと。ますます働き方の幅が広がります。

よく「社畜」という言葉を耳にします。多くの方が、夜遅くまで残って仕事をする姿を思い浮かべるのではないしょうか?でもそれが悪いことかと言うと、必ずしもそうではありません。自分の時間を割いてでも、達成したい何かがあること、それを仕事にできていることは、本人にとっては本望なことである可能性もあります。重要なのは、自分が「ナニ畜」かを見極めること。会社?社会?仕事?業界?「何に仕えるかという事」が、即ち「仕事」なのです。それを選ぶのはその人次第。この機会に、自分が働く意味を問い直してみてはいかがでしょうか。

U-25 Collaboration Pitch

最後には25歳以下の起業家によるショートピッチ。登壇したのは、「オビハウス」を始めとする民泊やシェアオフィスを経営する下田恭平さん(24)と、プログラミングスクールを運営する野澤翼さん(15)。若手による圧巻のスピーチに会場もざわついていました。

オビハウスを始めとした民泊やシェアハウスを経営する下田恭平さん
オビハウスを始めとした民泊やシェアハウスを経営する下田恭平さん
プログラミングスクールを運営する野澤翼さん
プログラミングスクールを運営する野澤翼さん

人によって、時代によって、常に変動し多様化していく「働き方観」。これからどんな未来になっていくのか、いえ、どんな未来をつくっていくことができるのか、ますます楽しみになる一日でした。

photo gallery

What's Your Reaction?
Excited
3
Happy
3
In Love
3
Not Sure
0
Sad
0

© 2019 Logic 
All Rights Reserved.

Scroll To Top