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COMICO ART MUSEUM YUFUIN / 萌える建築

COMICO ART MUSEUM YUFUIN / 萌える建築

ハシモト ダイ
  • 建築に萌えるロジックのスタッフが、身近な建築の萌えポイントを紹介する“ 萌え建”
  • 大分県・湯布院にある小さな現代美術館「COMICO ART MUSEUM YUFUIN 」
  • 観光客で賑わうメインストリートの傍にあるこの建築がもたらす価値とは?
  • PHOTO & WORDS by Dai Hashimoto
  • TITLE DESIGN by Yukie Ohara

今回の建築

COMICO ART MUSEUM YUFUIN

今回は大分県・湯布院にある小さな現代美術館
「COMICO ART MUSEUM YUFUIN 」
観光客で賑わうメインストリートの傍にある
この建築がもたらす価値とは?

「建築とアートに魅了された60分」

湯布院の象徴である由布岳と向かい合うようにCOMICO ART MUSEUM YUFUIN はあります。

雄大でありながらも、その威容を誇示することなく、柔らかくなだらかに広がる由布岳の稜線を望むこの場所は、
旧由布院美術館の跡地です。

由布院という地名に因んで名づけられ、長い間愛されてきた歴史的な場所を、引き続き守る役目を担わせていただけることは、由布院の町の新しい一員として、感慨深いものです。

[COMICO ART MUSEUM YUFUIN <ABOUT US>「建築について」]より
COMICO ART MUSEUM YUFUIN HP

隈研吾による小さな現代美術館

今回はハシモトが完全プライベート旅で訪れた建築についてご紹介。

私含め、建築の” ケ” の字も知らない男5人で、建築とアートの世界を体感してきました。

飲食店やお土産屋さんが並ぶ湯布院のメインストリートを抜けると、突如現れる黒い建築。
こちらは世界的建築家、隈 研吾氏によって手掛けられました。

ロゴデザインは無印良品アートディレクション、代官山蔦屋書店VIなどで知られる原 研哉(はら・けんや)氏が担当

長い年月の中で自然と共存していく建築を目指す隈研吾は、この建築を設計するにあたって「ムラ」の概念を常に考えました。

過度に派手で主張の強い建物ではなく、個の一つひとつが調和して形成された、由布院の街並みに溶け込む建築を目指しました。

``燃える``建築

この建築と対峙したときに最初に感じるのは何と言ってもこの黒さ。
真っ黒なのに決して圧迫感がないのは、外壁に焼杉が使われているから。
萌える建築ならぬ” 燃える” 建築。

遠くから見たときには由布院の緑豊かな景色を際立たせ、近づいてみると木ならではの温かみを感じることができます。

現代の美術館の主流であるコンクリートのハコ建築とせず、地域と共に変わりゆく経年変化を楽しむことができる建築となっています。

「由布岳とムラを横切る川がここ由布院の大きな特徴を成しています。
この敷地には由布岳の雄大さが迫り、身近には川の流れやせせらぎが感じられる。
立地が大きな仕事をしてくれていました。
角張った小さな屋根を与えたのは、川のそばを野鳥が飛んでいるイメージです。
川と建物の関連性を表現しました。
小さな家々が集まっている由布院にあって違和感なく馴染むようにという狙いもあります」

隈 研吾

敷地内には、3 棟からなる研修施設「COMICO ART HOUSE YUFUIN(コミコアートハウス由布院)」があり、それぞれの建物には、竹、土、木が用いられている。建物の表情に合わせて、日本庭園の樹木が選定されており、季節ごとに表情を変える

対照的なアートの融合

こちらの美術館では2つのギャラリーで全く異なるスタイルの作品を展開しています。
現在展示されているのは日本を代表する世界的な作家、村上隆と杉本博司の作品。

村上隆のカラフルでインパクトのある作品を展示するのに対して、杉本博司の海景写真は白と黒のコントラストを基調とし、この建物に調和するモノクロームなのが面白い。

大きな一つの空間に二つの展示がされているように見えますが、中央に水盤を設けて、それをガラスで挟むことによってそれぞれが独立した空間を作り出しています。
それにより二つの展示室を直接行き来することができません。
庭園を介して行き来する仕組みになっており、一度外の空気を吸い、リフレッシュした状態で次の作品を見ることができるというわけです。

水盤を挟み展示室はそれぞれ独立している。ガラス越しに見える展示作品からは、ここでしか体験できない感動がある

独自の「ツアー制」を採用

今回驚かされたのがこの美術館が定員15 名の予約制、そして1 時間のツアー制であることです。
ガイドさんが付くので私のように建築、アートに全く詳しくない方でも安心。
隈研吾の建築と貴重なアートをどなたでも十分に堪能することができます。

こちらの美術館がツアー制を採用する理由が二つあります。
一つは現代アートや建築の見どころ、現地でしか聞くことのできない秘話などを紹介することで楽しんでもらうため。
「先入観を持たずに感じたままの気持ちを大切にしてもらいたい」ということから、この美術館の展示作品には解説文が添えられていません。
その代わりにガイドさんが丁寧に解説してくれます。

もう一つは片方のギャラリーを” 空室” にするため。
ツアー客で賑わうギャラリーからガラス越しに見えるシンプルを極めた静けさとそこに浮かび上がる展示物の美しさには息を呑みます。

是非来館して体験していただきたい。

由布岳を一望できるラウンジ

ギャラリー鑑賞後は美術館2階のラウンジへと案内されます。
大きな窓の向こうには湯布院のシンボルとして親しまれる由布岳を眺望できるのもこの建築の魅力の一つ。
窓で切り取られた風景一つひとつにもアートを感じることができます。

ラウンジには隈研吾の手掛けたGCチェアや、厳選された書籍を楽しむことのできるライブラリーもあります。

 

湯布院の新たな名所。
観光のスケジュールに入れてみると、旅がグッと密度の濃いものになるのでお勧めしたい。

COMICO ART MUSEUM YUFUIN

住所:大分県由布市湯布院町川上2995-1
電話:0977-76-8166
営業時間:9:30 〜 17:30
ツアーご案内時間:09:40 〜 16:00
※所要時間 約60 分
休館日:隔週月曜日

〈観覧料〉
一般 :1,500 円
学生 :1,000 円 ( 高校・中学・小学生)
子ども:無料 ( 小学生未満)
※ 表示料金は全て消費税込です。

photo garalley

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